リハビリテーション科(診療科)

リハビリテーション科(診療科)

診療科挨拶

担当医:山中 吉隆
リハビリテーション科では、当院の急性期病棟および地域の医療機関と連携し、脳卒中や骨折などの治療後、心血管、呼吸器疾患における身体機能の回復や日常生活の活動性を高めることを目標に取り組んでおります。

診療科の特徴

回復期リハビリテーション病棟では、理学療法・作業療法・言語聴覚療法の3部門からなる専門スタッフと医師、看護師、医療相談員などの多職種でチームを構成し、治療を進めております。実際には、365日体制で、様々な基礎疾患のある患者様に対して病状を把握し、良質で効率のよい満足度の高いリハビリテーションを提供し、患者様の活動性の低下を防止し、より快適な生活が送って頂けるように様々な面で援助しております。また、退院後の外来あるいは訪問リハビリテーションや介護保険サービスによる生活支援に対しても支援しています。

リハビリテーション科医師紹介

山中 吉隆

山中 吉隆

出身大学
昭和56年 関西医科大学
平成2年 関西医科大学大学院博士課程修了
認定医・専門医等
日本内科学会認定医、医学博士
経歴
昭和56年 関西医科大学内科研修
昭和58年 市立舞鶴市民病院
昭和60年 関西医科大学内科
平成9年 上山病院内科部長
平成16年 上山病院副院長
平成21年 上山病院院長
平成23年 関西医科大学臨床教授(令和4年度末まで)
令和2年 上山病院名誉院長
専門
呼吸器内科学
メッセージ
地域医療に貢献します

リハビリテーション科関連情報

ボツリヌス治療の紹介

当院では、2013年より専門外来を開設し、現在まで多くの患者さんの治療に当たってきました。当院では現在、片側顔面痙攣、上下肢痙縮に対し、日本ボツリヌス治療学会認定施注医がボツリヌス治療をおこなっています。症状などでご相談がありましたら、火曜日の午後ボツリヌス治療外来の受診をお願いします。

外来担当医表

ボツリヌス外来
 
午後 吉田(予約制)
  受付時間 診察時間
午後 予約制 13:00~

医師紹介

吉田 眞三

ボツリヌス治療

ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌス毒素)を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、筋肉の緊張を和らげたり、筋肉のピクツキを止めたりする治療です。ボツリヌス治療はその安全性の高さ、身体的負担の軽さから世界中で広く使用されています。

痙縮(手足の筋肉のつっぱり)について

脳卒中で片方の手足の運動障害(片麻痺といいます)を後遺症として残した患者さんでしばしば見られる症状の一つに痙縮(けいしゅく)があります。痙縮とは自分の意思とは関係なく筋肉の緊張が強くなり、主に手足のつっぱりをきたす状態のことです。

痙縮では

・手指が握ったまま開きづらい(清潔にしにくい) ・肘が曲がり伸びづらい(着替えがしづらい) ・足先が裏側に曲がってしまう(歩くと痛い、装具などがつけにくい) などの症状がみられます。 痙縮による姿勢の異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限されてしまい、拘縮(こうしゅく)という状態となり、ご本人やそのご家族の皆様の日常生活に大きな支障をきたすことがあります。また、痙縮そのものがリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮を治療する事によりリハビリテーションの効果も上がります。

ボツリヌス治療の効果について

ボツリヌス療法では、こわばっている筋肉に直接、薬を注射します。注射した筋肉のつっぱりや緊張をやわらげる事で、痙縮による痛みの緩和や日常生活の動作の制限などが軽減されます。通常では、治療後4~5日で効果が現れ、またその効果は3~4ヵ月持続します。筋肉注射ですので極めて安全性の高い治療です。

ボツリヌス治療の進め方

診察で、患者さん・家族さんと相談させて頂き、痙縮に対する治療方針と目標を設定します。 ボツリヌス治療は数ヶ月で効果は徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受ける事もあります。またその間は継続的にリハビリテーションを行いますが、ボツリヌス治療を受ける事でリハビリテーションがより効果的になります。 身体障害者手帳1級・2級をお持ちの方は、ボツリヌス治療に要する医療費も減免されますのでご相談下さい。

片側顔面痙攣について

<片側顔面痙攣とは>
眼のまわりや口のまわりの筋肉(表情筋)が自分の意思とは無関係にピクピク動いてしまう病気です。通常、目の周囲から始まりだんだん口元へと広がります。最初の頃は疲れなどでまぶたがぴくぴくする現象との区別が困難ですが、徐々に症状が強くなり、口元からあごの下の筋肉にまでピクツキが見られるようになります。また緊張すると痙攣が強くなります。症状が強くなると目の周りの筋肉の緊張が強く、目を開けることが困難となることがあります。中高年の女性に多くみられるという特徴があります。

片側顔面痙攣の原因

片側顔面痙攣は、脳の血管により顔面神経が圧迫されて生じることがほとんどですが、まれに脳腫瘍などによることもあり、一度はMRI検査を受けていただく必要があります。

片側顔面痙攣の治療

根本的な治療は手術療法(血管による神経の圧迫を除く手術)です。患者さんが手術にふみきれない場合、年齢・持病などから手術が好ましくない場合に、ボツリヌス治療によりピクツキをとる治療が行われます。ボツリヌス治療は負担も軽く、安全性・有効性の高い治療ですが、効果の持続が3~4か月で注射を繰り返さなければならないという欠点があります。